F.S.A.拳真館 倒せる空手の技術と立ち関節技
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〜昇段審査を受けるにあたり、入門の動機と現在の心境〜


 「目の前に大きな壁が現れたとき、逃げようとするか、挑もうとするかで、その人間は大きく変わる」これは、2003年6月、拳真館主催トーナメントの直前の稽古で、館長が言われた言葉です。この一言は私を大きく勇気づけ、空手を続ける上での、大きな転機となりました。そしてまた、空手以外のことでも何かに迷ったときの指針として、以来私の心に強く刻み込まれています。

そもそも、入門のきっかけは、ごく軽い好奇心でした。以前少しだけ空手を習ったことがあり「自分の体をコントロールして、自在に動けるようになれたら楽しいだろう。」と漠然と憧れ続けていました。たまたまティップネスの空手クラスに出て、その憧れを思い出し、早速道場に見学しに行きました。想像していたような怖い人はおらず、みんな親切で感じが良かったので、気軽に入門することにしました。その時は試合に出ることはおろか「誰かを倒す」「強くなる」ということに興味はなく、基本稽古と技の稽古だけで満足でした。女子部の先輩たちが試合で活躍する姿を見てもただ感心し「自分には絶対に無理だ」と思っていました。当時の私は転職したてで、競争は仕事だけで精一杯、空手はあくまでストレス解消、楽しく体を動かす趣味の一つでした。

しかし、そんな私も、次第に変わってきました。拳真館で習う一つ一つの技は、単なる振り付けではなく、闘うためのもの。習った技を組手で生かせないのは、まるで、単語や文法を覚えても会話が出来ないように無意味なのではないか・・・そんな風に思えてきました。そして黄帯の昇級試験の組手で、「空手が上手くなりたい。でも組手が怖い。」という矛盾を、ハッキリと認識してしまったのです。その思いは次第に強くなっていきました。楽しむためにやっている趣味の空手で、何故悩むのだろうか、という思いを抱きながら、半年後の2003年6月、一大決心をして拳真館主催の試合に申込みをしたのです。

この試合はまさしく「目の前にある大きな壁」でした。これを超えないと、空手を続けている意味がないように思えました。そのくせ、申し込みした直後、エントリーしたことを後悔していました。何故なら試合が怖かったからです。怖さの正体、それは自信のなさでした。負ける可能性、失敗することが何よりも怖かったのです。「体格的にも不利、技術もない。私に勝ち目があるなんて誰も思っていない。わざわざ出る意味はあるのか。これで負けたら、きっと立ち直れなくなって空手を辞めるだろう」とまで思いつめていました。そんな中、館長の一言で、私のモヤモヤは全て吹き飛びました。「私は壁に挑もうとする人間だ!」その思いが小さな自信になりました。余計なことを考えずに、稽古に集中出来るようになりました。結果、初めての「一勝」を経験したのです。勝ったといっても、当時白帯の稲垣さんに「体重判定」勝ち。そのあと、あっさり菊地さんに判定負けでしたが・・。それでもこの時のトロフィーは私の宝物です。この日が、私の転機になりました。「もしかしたら、自分はひとつの壁を乗り越えたのかも知れない。」と感じました。それは、勝負の結果よりも、恐れていた壁が「怖いと同時にワクワクするものになった」という変化でした。 私は、挑戦することが、好きになりました。

私にとっての空手は、「気楽な楽しみ」から、「自分を高めてくれるもの」にいつのまにか変わっていました。色々な試合で勝ったり負けたりしました。そして、ただ楽をして過ごすことよりも、努力をすることの方が、はるかに楽しいと気づきました。その考え方は、空手以外のことにも及ぶようになりました。 自分が少しづつ変わるに伴い、周りの見え方も変わってきました。私が及びもつかないほどの努力をしている人たちがいることを知りました。また、自分ひとりでよじ登っているつもりでいた壁の上から、実はたくさんの人の手でひっぱり上げもらっていることにも気づきました。

いよいよ迎えることになった黒帯昇段審査は、私にとって、これまで経験したことのない、最大級の壁です。しかし、今は、それに挑むことが、怖いと同時に楽しみですらあります。仕事の手は抜かずに、なんとか効率よくこなして稽古に出る回数を増やす。ジムを活用して筋トレや体力作りをする。食事に気をつける、試合のビデオを見る。そして、改めて先生方や先輩方のアドバイスを噛み砕き、修得してゆく。自分はどこまで出来るのか。結果はまだわかりません。まだまだ私の空手の技術は未熟で、対戦してくれる面々は全員手強いはず・・。しかし、私はこの壁に挑戦できることに感謝し、その先に何が見えるのかを楽しみに、最善を尽くしたい、と思っています。

館長、先生方、先輩方、仲間の皆、また、空手を通して出会うことが出来た多くの方々から、沢山のエネルギーを頂いて来たことに、心から感謝します。いずれは自分自身、これまで皆に頂いてきたエネルギーを人に与えられるようになりたい、そのために、私は挑戦を続け、成長していきたい、と思っています。

2005年7月1日 
総本部所属 武藤 由紀


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